2005年1月19日
アクセシビリティは深い分野なんです
先日、某県庁の方と話している時、ウェブ・アクセシビリティの話になった。現在、総務省を中心に、各公共機関のサイトはこぞってこの「アクセシビリティ」に準拠する必要性に迫られ、県庁内でもその事を話しているんだという。
当然、公共機関だけでなく、幅広いユーザー層をターゲットに商売をしているところなども、アクセシビリティ向上は避けることのできない部分だが、今の段階では公共機関(三セク含む)がその必要性に迫られている。
その人は、「今のうちのサイトはぐちゃぐちゃで、まったくダメなことは充分わかっている」と話していたが、ことはそう簡単な話ではない。もちろん業者の選定が重要なのだが、それ以前に「誰が判断するのか」なのだ。
何を持って「アクセシビリティ」をチェックするのか。チェックツールは確かにたくさんあるが、そう言ったツールは推奨項目まで全部チェックするので、それをパーフェクトにするなんて現実的な話ではない。そこで必要なのがガイドラインだ。では、誰がそのガイドラインを策定し、それを誰がチェックするのか。その県庁は、ガイドラインは存在するようだが、それだけでうまくいくとは思えない。
弊社は、総務省関連のアクセシビリティ改修を担当したが、そういった作業を巷のウェブ制作業者と言われる人ができるかと言えば、それはNoだ。業者選定の際は、まずそこがどの程度経験と知識があるのかを見極めなければならない。しかしその見極めは、かなり専門的な知識がないと無理だ。
上記の総務省関連の仕事の際は、担当者の方がこちらが舌を巻くほど詳しい人だったので、クオリティチェックをして頂けた。しかし、そんな人は一般の役所に存在するだろうか。スタイルシートのコーディングに関して、こうすればもっとシンプルになるんじゃないかという議論ができる人なんて、少なくとも私は知らない。せいぜい、ホームページ作成ソフトと呼ばれるオーサリングツールを使って、広報のページが作れる程度ではないだろうか。
アクセシビリティJISに準拠しなければならない。それが必須条件になっている今、一方でこのような問題があるのだ。結構深刻だと思う。
そう言えば、少し弊社に話が来た別の県関連の入札案件でも、仕様書を見ると「JISまたは県のアクセシビリティガイドラインに準拠」とある。県のガイドラインの詳細は私は知らないが、少なくともJIS準拠なんてよく簡単に書けるなと思う。はっきり言って、今の段階で満足にそれができる業者は、非常に限られているだろう。みんな「やります」っていうでしょうけど、そんなところに限って音声リーダーやチェックツールすら持ってなかったりする。どうやってそれでアクセシビリティの改修ができるのだろうか。
業者の皆さん(弊社も含めて)、仕事が欲しいのは分かるけど、もっと勉強しましょう。そうじゃないと、市場は育たないです。それは、自分の首を絞めているようなもんですよ。
ちなみに、私のアクセシビリティ関連記事はこちらです。
投稿者 tomo-m : 15:11 : この記事のページ










大阪府出身。地方紙記者、広告代理店勤務、米国留学を経て、2000年2月に

